ダニエルズ式②´:Eペースの強度に関する考察~Borgスケールを交えて~
当記事もご覧くださり、ありがとうございます。はらでぃです(^^)/
以前の記事でダニエルズ式におけるEペース及びMペースについて書きました。
harady-has-a-self-denying-spirit.hatenablog.jp
その際にEペースの強度についてはランナーごとに意見が分かれると記載しましたが、「全然Easyじゃない」という意見が多い印象にあります。私もそう感じているので、願望が含まれているかもしれませんが…笑
ちなみに個人的には、こちら↓のブログ記事が一番面白かったです。
そこで今回は、ダニエルズ式の強度(%MHRと%VO2max)についてBorgスケールを交えて考えていきます。
【予備知識】
・カルボーネン(Karvonen)法:%VO2maxを用いて目標心拍を算出する方法
⇒ 「目標心拍」=「予備心拍」×「%VO2max」+「安静時心拍」
・%VO2max:VO2max(最大酸素摂取量)に対する相対値で運動強度を表した数値
・予備心拍数(HRR):「最大心拍(MHR)- 安静時心拍」により算出
・ボルグ(Borg)スケール:主観的強度の指標の一つ(6段階から成る)
⇒ %VO2maxとの相関が示されている(概ね「ボルグ係数」= 0.2 ×「%VO2max」)
(参考1)運動強度とは(公益財団法人長寿科学振興財団:健康長寿ネット)
(参考2)全身持久性運動における主観的強度と客観的強度の対応性
(参考3)主観的強度による運動強度の選択について
【考察】
上記を踏まえて、ボルグ係数と%VO2maxの相関を反映させた上で、私の場合(最大心拍数193回/分、安静時心拍数56回/分)のダニエルズ式の各ペースにおける目標心拍数(回/分)を%MRH及び%VO2max(カルボーネン法)から算出しました。
Eペースに対応する%VO2maxでは、その主観的強度は「楽である」に掛かっていません。また、算出した2つの目標心拍は、T~Rペースにおいては大きな差がありません。しかし、ペースが遅くなるつれてその差は広がり、Eペースの遅い側ではかなりの差が生じています。
そこで、前述通りボルグ係数は%VO2maxとの相関が認められている(上表の右側は固定する)ので、%MHR側(上表の左側)を補正し両方の目標心拍を近づけます。
【結論】
①%VO2maxから算出した目標心拍の場合、Eペースの主観的強度は「楽である」に該当しない
⇒ ダニエルズの表に従ったEペースが「Easyに感じない」のは当然と言えます。ポイント練習を実施するコンディションでのEランニング(ロング走の前半など)ならEasyに感じるかもしれません。しかし、疲労が残った状態でのラン(つなぎジョグ等)をダニエルズの表に従ったEペースで実施したらキツく感じる可能性が高いです。
②%MHRから算出した目標心拍は、遅いペースの場合、%VO2maxから算出した目標心拍に比べて低い
⇒ Eペースの効果を期待するのであれば、2つの方法で算出したEペースの目標心拍が重複する%MHRが71~78(=%VO2maxが59~69)の運動強度が適切ではないかと考えられます。また、「楽に感じる」Eペースであっても%MHR65(%VO2max50)以上の運動強度は保った方が良さそうです。
③安静時心拍が高い場合、2つの目標心拍の差が大きい
⇒ 直接お示しは出来ませんが、様々なパターンを検証した結果です。あくまで今回の具体的な数字は私個人のデータに基づいていますので、興味を持たれた方はご自身で計算してみるのも面白いかもしれません。ちなみに安静時心拍数40以下だと2つの目標心拍の差が比較的小さいですが、そんな方はほとんどいないかと思います(笑)
私自身も「EペースはEasyじゃない」と感じていたので、今回の検証結果には概ね納得はしています(まだ疑問に残る点はいくつかありますが…苦笑)。しかし、理系の私にとっては数字をいじくり回すこと自体が結構楽しかったです(^^♪
当記事もご覧くださり、ありがとうございましたm(_ _)m
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